県総合食品研究所(秋田市新屋町字砂奴寄4-26 TEL018-888-2000)では、籾(もみ)殻からダイエットなどに効果があるキシロオリゴ糖を抽出する技術を開発した。
オリゴ糖は、整腸機能や虫歯予防などの特性を持つが、特にキシロオリゴ糖は最も少量(1日当り1g以下)で整腸機能を発揮する。砂糖に似た甘さを持っており、耐酸、耐熱性に優れ、日持ちが良いのが特徴。国内需要量は、平成4年に100tであったのが8年には500tに増大し、キロ単価はオリゴ糖の中では最高の2,500円となっている。
キシロオリゴ糖の製造には、籾殻内の食物繊維「キシラン」を水に溶けやすくし、抽出する前処理が必要。研究では、ドン菓子の原理で高圧をかける「爆砕」と、圧力釜のように原料を煮る「蒸煮」の2つの方法に成功した。前処理では褐色の液体ができ、これを酵素分解し、脱塩、脱色すると無色透明なキシロオリゴ糖のシロップが出来上がる。研究では、1キログラムの籾殻から約80gのキシロオリゴ糖が抽出された。
県では、平成14年度までに籾殻運搬の非効率を避けるため、県内29カ所のカントリーエレベーターに前処理施設を設置し、各施設で抽出されたキシランを酵素処理施設に集めてキシロオリゴ糖を作る計画だ。
これまで籾殻は、畜舎に敷いたり、燻(くん)炭用に加工されるくらいで、ほとんどが廃棄されている実状にある。キシロオリゴ糖の市場性は十分にあることから、原料としての付加価値性に大きな期待が寄せられている。

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