
― 地域活性化施設としての役割 ―
建設省が1993年に整備を始めた「道の駅」は、高速道路のパーキングエリアの機能を持った一般道路の施設である。都市間を結ぶ一般道路上に、休憩・案内情報などの施設を計画的に配置し、利用者の利便を図るとともに、地域おこしの拠点として整備しようというものである。
地域の歴史、文化、自然の紹介、特産物の販売など、町や村おこしの一環として注目されており、官民提携プロジェクトとして建設省の道路整備に組み入れられた。平成10年までに登録された道の駅は、全国に470カ所、秋田県では14カ所が登録されており、そのうち13カ所がオープンしている。
今回の特集では、地域活性化の有力策として注目される県内各地の「道の駅」5カ所を取材し、これらの施設の現状をレポートする。
現在、上記で紹介した他にも多くの道の駅があり、10月1日にオープンした「てんのう」や、来年4月オープンを目指す「おがち」など、今後続々と新しい施設が誕生する予定である。
「道の駅」が、当初の目的である休憩機能、情報機能、地域連携機能を大いに発揮して、観光客だけでなく地元住民も巻き込んだ賑わいの拠点となるためには、集客のための仕組みや仕掛けがもっと必要かと思われる。単なる観光施設ではなく、その地ならではの商品やサービスを提供し、見るというよりも味わい、体験することに力点を置いた試みと、さらにそれぞれの「道の駅」の個性化、差別化が一層利用者から望まれるだろう。

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